MEC食講演会 in 大阪 レポ (講演会:ドクター岡田編)

だいぶタイムリー感が薄れつつありますが、8/30に行われたMEC食講演会 in 大阪の、講演会レポです!まずは岡田先生の講演レポをお届けします!

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岡田先生の講演は、糖質制限と湿潤療法の2テーマについてのお話でしたよ。

Note : 写真撮影やブログへの掲載がOKかわからなかったので、写真はとっていません。文字ばかりレポートになりますが参考になったら幸いです。
またメモを取ったりしていませんでしたので、記憶の限りで思い出しながらのレポートです。間違っていたらご指摘ください!

(次回は渡辺先生のレポ!なんですが、もはや正確に思い出せるだろうか・・・)

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ドクター岡田

岡田先生は、滋賀県の「おかだ小児科医院」の先生です。

湿潤療法を導入されており、先生自身も糖質制限の実践者です。

講演:糖質制限と湿潤療法

糖質制限

いきなり出てきたのは、岡田先生自体のBefore→Afterの写真。糖質制限で10キロほどやせられたそうです。見た目がすごくかわっていて、会場がどよめいていました。やはり、こういう変化を見せられると、がぜんモチベーションも上がりますよね。

一番印象的だったのは「母乳の成分の半分は脂質です」というグラフでした。おぼろげですが、50%が脂質、40%が糖質、10%がその他(なんだったか忘れちゃいました)という円グラフだったと思います。ここで先生は、「母乳が半分脂質でできてるんだから、赤ちゃんが脂を消化できないわけがないでしょう。なのに日本は『赤ちゃんは脂を消化できないから・・・』って言っちゃうんですよね。母乳は半分脂質と言うと、お肉の脂と母乳の脂は違う・・・とかなんとかいうんですよ。そんなことないのにね」とおっしゃっていました。
また「日本では離乳食って言いますけど、世界的には『補完食』といって赤ちゃんにお肉のペーストをあげるんですよね。この会場にいらっしゃるMECママさんのお子さんは幸せですね」というようなことをおっしゃっていました。

日本の「井の中の蛙」状態がすごく気になります。日本で常識とされていることと、世界の常識が違うということが。日本食はその美しさが世界文化遺産として評価されていますが、文化的な美しさと健康に与える影響は必ずしも一致しないというところに、多くの日本人は気づいていない。それどころかそんな勘違いは世界中に広まろうとしてしまっていますね。

あと、この母乳の話を聞きながら、FacebookのMEC食グループで最近あいついだ「授乳中ですが、チーズや脂質への欲が止められません」とについても考えていました。先生がおっしゃる通り、母乳の成分の半分が脂質なので、お母さんはその脂質を体の中から作り出さなければいけません。通常の糖質を摂取しているお母さんであれば、糖質→ブドウ糖→中性脂肪として保管→そこから母乳へ という経路をたどるのかもしれません。しかしMEC食や糖質制限をしているお母さんの場合、基本的に糖質は取らないので、脂質を経口摂取するしかなく、そこへの欲求が止まらなくなるのではないかな~なんて思ったりしました。また、「母乳を与えるとどんどん体重が減る」ことについても、体の脂肪を削って母乳に変換しているからかなあ・・・なんて思ったりしていました。

あと気になったのは、糖質を摂取した場合の体の中で起こることを図解されていたのですが、糖質は最終的に「内臓脂肪」になるという図になっていました。私の場合は内臓脂肪もそうですが皮下脂肪がハンパないので、皮下脂肪がたまるメカニズムはもしかして内臓脂肪とは違うのだろうか?とすごく気になりました(質問したかったけど質問できず・・・こういう時に勇気が出ないタイプなんです)。

皮下脂肪のできるメカニズムが内臓脂肪のメカニズムとは違うのであれば、そこに対応する減らすメカニズムも違うのではないだろうかとも思ったりしたので、帰宅後いろいろと調べてはみているのですが、この疑問は解決していません。メカニズムは同じで、内臓脂肪と皮下脂肪のどちらとなるかは、個体差もしくは性差だったりするのかなあとも思いますが。女性のほうがホルモンの関係で皮下脂肪が多いと言いますし。

湿潤療法

湿潤療法というのは、比較的新しい傷の治療法です。けがをしたときにみなさんどうしますか?消毒をして絆創膏を貼る?それとも絆創膏を貼ると膿むので乾かす?

実はどちらも間違いで、正しい治療の仕方は「水で汚れを洗い流したら、乾燥しないように保護する(最悪ワセリンとラップでもOK)」なのです。これが湿潤療法の理論。

「炭水化物が人類を滅ぼす」の著書で有名な夏井先生は、ご自身が糖質制限の実践者でもあり、湿潤療法の第一人者でもおられます。私は夏井先生を湿潤療法の経路で知った後、糖質制限のことを知りました。ですから、湿潤療法と糖質制限はある意味セットのイメージを持っていたのですが、この講演では初めて聴かれた方も多いようで、驚きの声が各所で上がっていました。

湿潤療法の特徴は、

  1. とにかく早く治る。しかもきれいに。
  2. しかも痛くない。

というのが特徴です。

消毒はしない

まず、消毒はしません。「消毒というのは痛い。痛いことって、だいたい体によくない」と岡田先生がおっしゃられていました。消毒はばい菌を殺しますが、そもそも自分の細胞も破壊してしまうそうです。特に砂場で子供が転んだような場合、砂がたくさん傷口について、汚い!ばい菌が!消毒しなくちゃ!と思ってしまいますが、水で洗い流しさえしてやれば、特に問題ないそうです。

「盲腸の手術したとき、表面の傷口は一生懸命消毒するのに、中の傷は消毒しないでしょ。でも盲腸のあたりって汚いう●ちが通るんだよ。なのに消毒しなくても問題ないでしょ。」っておっしゃっていて納得です。また、「痔の人って、毎日消毒したりしないでしょ。でもあそこってう●ちが着くじゃない。でも大丈夫でしょ」ともおっしゃっていました。確かに!むしろ痔のときに消毒なんかしたら、激痛で悶絶しそうです。

傷は乾かさない

目立った汚れを取り除いたら、そのあとは傷を乾かさないように保持します。

傷をずっと見ていると、黄色い液体がにじみ出てきますが、これを浸出液と言います。浸出液は自己治癒力の塊みたいな液体で、これを洗い流してしまうのはもったいない。これを傷口にとどめておくことで、傷口の治りを早くしようというのが湿潤療法の肝の部分の理論です。

浸出液は流れてしまうので、それを傷口にとどめておくために、それ専用のシートや絆創膏が出ています。商品名でいうと、プラスモイストやキズパワーパッド。少し高いですが通常の絆創膏よりも何倍も早く、いたくなく、きれいに治ります。この日はキズパワーパッドのお試し品をお土産にいただきました。ありがとうございます。広範囲のやけど等で追いつかない場合は、ワセリンとサランラップで代用してもいいとのことです。

既存のガーゼや絆創膏は何がよくないかというと、まずは浸出液をすべて吸い取ってしまうこと。さらに傷口にくっついてしまうため、はがすときに再度治りかけている部分を傷つけてしまう恐れがあること。だそうです。

浸出液は匂いもあるので、膿みと間違えやすいです。膿と区別するには「赤い、腫れている、いたい、熱を持っている」で判断します。これらが当てはまる場合は膿んでいる可能性があるため、お医者さんにかかってくださいとのことでした。

私も手をうっかり火傷してしまったことがあります。とても浅いやけどでしたが、15分以上冷やした後、痛みが引いたかのように思っても、水から手を出して乾き始めるとジンジンして痛くてたまらなかったです。この時、指先にキズパワーパッドを貼ったら嘘のように痛みが引きました。痛くないというは本当にありがたいことですよ。指の股など、複雑な形状の箇所をやけどした場合、キズパワーパッドやラップをまくのすら難しいときがありますが、そういう時はワセリンをたっぷり塗るだけでも乾燥は防げます。

MEC食の実践者なら、ワセリンではなくラードでもいいですよね、おうちに常備している人のほうがおおいでしょうし。

感想

岡田先生は小児科の先生なので、子供さんの症例が多かったです。お母さん世代の方が多いですから、とても熱心に聞かれていたように思います。

全体として、とても目新しい発見!というものは実際なかったのですが、自分の知識と照らし合わせて新しい気づきになった部分がたくさんありました。

MEC食の本と同時に糖質制限の本も何冊か読みましたが、本を読んでいるときと、実際に話を聞くのでは、気づくところが全然違います。もちろん本のほうが情報量が多いのですが、お話を聞くと伝えたかったところに的が絞られていますので、それに集中して聴く分、深い気付きを得られるんだなあと思いました。

糖質制限にしても、湿潤療法にしても、これまでの常識だと思ったところから180°違った観点が実は正しかった、というものになります。こういった情報にいち早く出会えていることに感謝したいなと思います。一方で、今はこれが正しいとされているけれども、もっと研究が進んで、湿潤療法にしろ、糖質制限にしろ、ほかの方法が最適だということがわかる時代がくるかもしれません。でも今の時点ではそれらが最適解なのです。時代時代に合わせて、最適解を得ていけるような情報アンテナを常に張って行きたいなと思いました。